信天翁(静逸)の筆の跡

2015-01-24
山中信天翁と幕末維新
1月23日(金)〜3月8日(日)
藤井達吉現代美術館

岩倉具視を陰で支えた山中静逸の文人画家としての側面を辿る展覧会
第一室から二室あたりの歴史的な文書資料は私には少し難しかったのですが
文人としてのコレクションやサロンの資料
そして、何より本人の作品が魅力たっぷりでとっても面白かった!
鉄斎と心天翁の深い絆を垣間見る鉄斎のいくつかの作品も展示
心天翁自身の山水など作品は明らかに当時の中国文人画家に影響を受けた筆致
恵まれた環境で作品を沢山見ていたはず
鳥の顔も芙蓉の顔もなんだか見たことあるぞ
私はこの明末清初の画風が大好きなのでとても好きな作風だし、ツボツボツボ!面白かった!
嫌みのない本当のインテリジェンスが筆から感じ取ることができる
嫌みがない筆って上手い筆より多分難しいこと
それをとても豊かに感じて、教養って本当に大事だなって心から思った
言うまでもないことだけれど
今からでは、とてもとても追いつかない
私には。
次の世代に。

御父上の風景画帖も興味深い資料でした
筆を見比べて欲しい
時は明治維新の頃
彼の恵まれた環境が彼をそのように作った訳で本当に羨ましいけれど
とはいえ、今は日本に生まれてもっと若くて本人に強い意志があればほとんど誰でも信天翁になれる可能性がある訳です
人が陽の目を見る方向に向かうほど、実はその裏側の暗雲にも気付くわけで
豊かになるほど、更に、更に、もう一歩、真の豊かさとか幸せというものに踏み込むために欠かせないのが
積んできた経験と言いたいところだけれど、実は、蓄積された教養なんだろうって思う
今は上手く言葉でまとめられないけれど、絵を見て、
特に大きな軸装や屏風の山水などの大らかな筆を見て、そんなことを感じた

個人的には、彼のコレクションである潤亭(落款)の胡蝶図が見れたことも収穫!