1800年代の女性画家たち

2015-04-22
于右任書法名品展
拙心コレクション
〜4月29日(月)金曜休館
天門美術館

于右任の書が素晴らしいという話はこれまで聞くことが何度もあったのだけれど
どれどれ、と、写真や図録で見てもピンとこなかったので、
書に詳しくないこともあり、スルーしていた作家

しかし、初めて、実物をまとめて見て
まあ、なんと、大らかで豊かな世界観、存在感
ふわりととぶ蝶のような自由な筆致
上手いのに威圧感がないこの包容力はなんだろう、と。

とても心地よい世界観でした

驚かしてやろう、とか
まして、凄いと思われたい、評価されたいとか
そんなことでは決してなく

純粋に本質を追及することのみで描き、向き合っている作品は対面するとわかるものだと
改めて思う

やはり
実物を見ないと作品の核心のようなものを感じることができないものです

上村松園生誕140年記念
松園と華麗なる女性画家たち
〜6月21日(日)月曜休館
山種美術館

女性の参政権が認められるのがようやく1945年
女性の社会的、政治的な立場は勿論、日常的な活動そのものにもきわめて制約があった時代

野口小蘋と松園を中心に
タイトルにある時代の頃の女性画家達の作品を集めた展覧会
東京にちょこっととある打ち合わせがあったので空き時間に見てきました!
会場は山種美術館ですが、連携企画でほぼ半分は実践女子学園香雪記念資料館の所蔵品
いつもはキャプションや解説を読まずに作品を鑑賞するように心がけていますが
今回はしっかり読みながらみる

展示作家
奥原晴湖 1837-1913 茨城
野口小蘋 1847-1917 大坂
ラグーザ玉 1861-1931 江戸
川邊青蘭 1868-1931 大阪
河鍋暁翠 1868-1935 東京
上村松園 1875-1949 京都
伊藤小坡 1877-1968 三重
野口小蕙 1878-1945 滋賀
池田蕉園 1886-1917 東京
生田花朝 1889-1978 大阪
九条武子 1887-1928 京都
島 成園 1892-1970 大阪
木谷千種 1895-1947 大阪
小倉遊亀 1895-2000 滋賀

圧倒的に関西の、その中では大阪出身の女性が多いですよね
何故だろう
作品も大好きな奥原晴湖は、生涯、短髪と男帯と黒い羽織のスタイルと独身を貫いた
女性としての自分を捨て、絵描きとして生き抜くことを選んだのだろう
比較すれば比べ物にならないほど自由になった今を生きる私でも、その決意、何となくわかる
というか…、今の今まで、晴湖が女性だと知らなかったのでびっくりした、そうだったのか

そうそう、ラグーザお玉さんの作品に出会えたのは個人的ですがあまりに思いがけずちょっと感激でした
(ラグーザお玉自叙伝 http://sadaieayuko.jugem.jp/?day=20140903 )

略歴を読むと、どの方もやはり特殊な経歴をもっていてそりゃあそうだろうな
でも、それ以上に、それぞれきっと、特殊な価値観、哲学を持っているはずで、それを知りたい
現代の女性の視点と作家の眼で近代の女性作家
特に女性の日本画家の作品を紹介するエッセーぽい本、いつか書きたいな!