記憶

2010-06-04

6月4日
とても大切な日

大学院で担当して下さった先生の命日でもあります
どうしようもない私に誰よりも誠実にとことん向き合って下さいました

今年は都合がつかず、お仏壇にもお墓にも手を合わしにいけなかったのでしたが
先生に「それより、描け!」と言われているのだと都合良く解釈して
いちにちアトリエでせっせと過ごしました

夕方、疲れてふらっとお散歩に出る
初めての道を選んで進んでみると

綺麗な風景と太陽に出会う
風景の中に虫取り網を持った少年発見
カレンダーの挿絵かなんかで見たような情景

この網懐かしい
まだあるんだねえ

こにには大きさが一メートルも二メートルもあるおばけ蛙が住むらしい
ほんとだもん
見たもん
ここにいたよ

と指差すところが数センチの空間

この矛盾を根拠にしてもしなくても
嘘と思う大人はトトロに会えません

まるくてあかくていいものもらった

たった数年しか経たないのに、すごく昔のことに思えてしまうこと
出来事も風景も薄らいで霞んでいく現実
ゆったりとした時間の隙間にだけ、ふと思い出そうとした時、やっと思い出せるものになっていく

でも、悲しい気持ちは今も痛いくらい鮮明
驚きや喜びや感謝の感覚も

人って、出来事や客観的事実よりもそこから生じた感情を強く記憶に残すんだなあと思う