さっき、空に鱗雲が出ていました
さて、それは、まだ夏
つい先月の話。バタバタな真っ最中で取り敢えずのお店だったけれど。
母の誕生日。お祝いにご飯に行く
満腹で、かえりみち、
母が
私に
“本当にいい仕事に就いたね”と。
聞いた途端、膝から崩れ落ちるかと思った
もう随分前
本当に随分前ですよ
会話にならない(私にビジョンがないため)、将来についての会話の中で
母が溜息みたいに発した言葉があって、
ずっと、私の中にはりついていたコトバ
“結婚するか、就職するかしないと、安心できない”
だから、
“本当にいい仕事に就いたね”
聞いた途端、嬉しいのか切ないのか何なのか、膝から崩れ落ちるかと思った
当時、頑張ってはいるつもりだけど、
只のつもりで、
実家に居て、
たまに絵描きの卵だって面白がってくれる人たちとごはんたべにいったり(今は在り得ない)
私を大変支えて育てて下さった女園長の与えてくれる
子供達のお絵描きのセンセイの仕事に甘んじながら
人生も絵も完全になめてたころ
心配して発破をかけてくれている言葉を
当時の私は今よりさらに馬鹿でその文字通りに受け取った
学びの機会も愛情もあらゆる真の意味での豊かさを存分に与えてくれて
普通の母以上に母らしい素晴らしい母に恵まれ育ててもらいながら
その母を安心させられない娘なのかというものすごいコンプレックス
でも絵は止めたくない
絵を描くことが仕事であるとわかってもらいたくて
京都画壇のど真ん中にいる人たちはきっと顔をしかめるような
少しミーハーだったりわかりやすい仕事をえらんできたところがある
出来レースへの参戦には時間が勿体ないと思ったし
町のギャラリーよりは、子供の頃、御着換えして家族と出かけたような百貨店が良かった
週刊誌取材の依頼も、信頼できる堅実な方々に咎められる中、迷わず答えた
でも、もう、全部、とけた
“本当にいい仕事に就いたね”
何だか次のステージなのかなって思う
結局、母の言葉がエネルギーになっていたし、次のステージも。