恋なき春画病

2016-01-05

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金属のマチエールが好き
今年はじめの日本画はじめは箔あそびから
原始的な線描にも見えるし顕微鏡で微生物や細胞を覗いたときのミクロ世界にも見えるし
そこまではともかく
円山応挙による名作、氷図にも見える、と書かせるところがことが応挙の凄さ
抽象表現は楽チン
それを指針にしつつ具象世界で飛び越えることが美術というひとつの分野とか世界として存続し、美術に限らず人が人としてであり続けることの唯一の方法と思う

ところで超具象と言えば、昨年の春画ブーム
とっても良いことのはずなのに、なんでなんだろう、この違和感
むしろ、知的で真に官能的であるはずのものが淘汰されていく予感
淘汰は言い過ぎかな
でもとても暴力的で不感症でありながら、更なる刺激を求めたとしたら行きつくイメージは誰であっても想像できること
エログロなどわかりやすいものがただ表面的な解釈で悦ばれ、芸術性の高いものであれ表面的にはエログロであるがために、リスペクトの方向性が、それ?というかたちで祭り上げられる現代の不感症世界が、世紀末やヒエロニムス・ボッスの地獄図を連想して怖い