私の一椀 -六十五碗 それぞれの想い-
~12月11日㈰
茶道資料館
京都を中心に茶の関わりの深い65名の方々が《私の一椀》を持ち寄っての展示、という企画がそもそも面白い。それぞれに出品された茶碗の魅力や出会いのエピソードを寄稿文がキャプションとしてありそれを読むのも楽しかった。
お茶碗はわからないから、ということは全くなくて、知識が無くても物語が焼き付けられた美術品としての鑑賞が十分に楽しめる展覧会でした。
私のお目当ては伊藤博文(春畝)公が作った銹絵文字の朱く丁寧なお茶碗でした。劇作家でフランス文学研究の長田秋濤に贈ったもの。繊細で優美で、でもどこか可愛らしい。
1000円の入場料で、それはそれは丁寧に入れて下さるお抹茶とお菓子つき。私に充てて下さったのは、春畝目当てと知ってか知らずか、細川護熙氏のお茶碗で、知る訳がないから可笑しかった。火の色で秋の景色だったのかな、月の綺麗な日に相応しい良い景色でした。
写真は浪人仲間だった瀬尾誠氏作の漆のぐいのみとりんどうの花