後半毒づく

2016-10-26

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 昨週末の展覧会ふたつ

◎はなやかな秋のしつらえ
〜10月23日(閉幕)
泉屋博古館
私は住友コレクションが好きで好きで。珍しく目玉がテーブルウェアとのこと、綺麗なものがお好きなお姉様もお誘いして伺う。
力のある陶器は絵と同じで人格を持つのだな、と。《美女と野獣》ワールド。茗荷紋(知らなかった。)のついた銀のナイフや磁気の皿の気品高く美しいこと。でも、やはり、絵画のコレクションばかり目に行く。媒領の菜果図は若冲超え。秋草図屏風で、金箔絹本の上に描いた櫻谷の筆をほんの間近で見れたのは私にとりましては大収穫。

◎関雪と桂華
白沙村荘 橋本関雪美術館
〜12月11日
こちらも毎回素晴らしい展示
最近は篆刻を見るのも楽しい。
桂華といえば、花“鳥”画の画家。
関雪コレクションの有名なフクロウの壺。
どちらもある程度美術ファンなら知っているかもだけど、桂華がその壺を描いているって、知ってた?私は知らなかった!もうめちゃくちゃ心ときめく話なんだが、こんな投稿は全く受けないことをさすがにそろそろ承知故、全く関係ない食べ物の写真をのせておく。笑

自分を着飾るための美しいもの、自分のお腹を満たす美しいものはお好きで研究熱心なのに、なんで美しさのド直球の美術品や文化的なものは真剣に見ないし、教育も疎かにされるんだろう。
本当に美しい美術品は他の人格をもつからだろうか。

《国の生き残りをかけた競争は軍事力でも経済力でもなく、とうに美術に移っているのに政府も国民も理解していない》というのは、聞き飽きるくらいよく聞く意見、私も本当にそう思う。
では、だから、一生懸命一個人が日本画を自身の美意識に最適化していこうぞ、櫻谷や桂華のように、それが上手くいったとて、社会に組み込まれなければどうしたらいいんだろう。
なんて。
そう、社会と世界は矛盾するのだ
もう一度言おう《社会と世界は矛盾する》のか
とはいえ、否、だから!、私は桂華みたいな作家になりたい。

『《写真は、絵に描きたいほどのものはすぐに食べられちゃう、最後の秋の味覚》きれい。』
そう、だらだら書かずにこの二行で充分なのだ。盲目は幸福なのです。