とんとんとんと音と音の間

2012-04-09

菖蒲の作品間に合った
徹夜あけてそのまま
諸々の用事で京都へ
余裕なくお花見なんて今年はできないかと思ったけれど
思いがけず贅沢なお花見が沢山できた
京都のさくらは今が見頃

祇園
ほぼ満開
ここの桜は少しこわい
きれいすぎて
私が桜と聞いて思い浮かべるイメージのイメージ以上に桜らしい
これがグラフィックならもっとリアルに近づけろと言われるはず
黒沢監督の「夢」の映像の印象に似ている
ふむ‥

かねとうなりや やすらひはなや
よくちうせんしきや やすらひはなや

満開のソメイヨシノ
きれいすぎてピュアすぎて、むしろ怖かったり悲しくなるような感覚
桜の下では
ざわざわと胸が騒いで落ち着かない

桜もいろいろ
御所にある少し素朴な諸々の桜が好き
アルコールが少ないのにちゃんと華やかな香りのするお酒のような
飲み込まれないのに心の芯から浸れる

いつも最も人を多く集めているこの桜は葉の色が爽やか
門の近くでご存知の方も多いはず
毎年私も人に交じってレンズを向けてしまう

あけておはせるや やすらひはなや
たねまいてうや やすらひはなや

やすらひはなや

とは
今宮神社の鎮花祭の祈りのことば
『やすらい』とは『ためらい』のこと
桜の花が散り急ぐのを鎮める祈りのことばだそうです

京都御所
春にくると気付く花
ここには沢山の種類の桜が御殿各庭に象徴的に植えられている

早咲きから遅咲きまで
苔の上に落ちた花びら

若い木
大木に負けない花を咲かせていても幹は短い
まだ垣根の外の世界を見ることはできない

大抵の花は顔を上げて見る
今まで気づいていなかった美しい屋根など見つけた

今日見た桜の中で私の一番のお気に入りはこちら↑とこちら↓

どちらも姫君の小さな鞠のよう

美で空を覆ってしまう風景は圧倒的だけれど
今の私にはこんな隙間に焦がれる
枝の間から覗きたい
歩んでいる大地やあらゆる点を繋いでいる空を覗きたい

とんとんとんと鞠が弾く音と音の間