佐川美術館ワークショップ 《日本画の画材を学ぶ-知る・作る・使う-》準備中 Ⅴ

2012-05-28

新緑のもみじが美しい季節です。 

佐川美術館日本画ワークショップ
≪日本画の画材を学ぶ‐知る・作る・使う‐≫
6月9日(土)10日(日)

既に定員締切

では、上のような色紙
(吉祥麻紙を使った特注品)
にもみじの木をモチーフに
《たらしこみ》
を使って作品つくりをして頂きます

これは、

≪日本画の画材を学ぶ‐知る・作る・使う‐≫

≪使う≫
のところです
日本画の特徴的な画材の性質を生かして、
使って
作品つくり
をするということです
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http://sadaieayuko.jugem.jp/?day=20120509

受講者の方々に用意しているテキストの一枚
『琳派もみじとたらし込みのいろいろ』
について
下がテキストの一部
について


たらし込みのテキストでこんなのは今までなかった
と仰って頂きました

なるほど
凄いこと!!

というのは
もみじや松や梅の幹に
琳派では超御約束事のようにこのたらし込みの表現が使われているので
多くのテキストで
このたらし込みの表現は画法・テクニックとして解説等されているのですが
実際の幹の写真と比べて解説されることは
知る限り無い
からです

http://sadaieayuko.jugem.jp/?day=20120519

写実表現とは対照的に思われている琳派、
もしくは、琳派のたらし込みの幹ですが
改めて写真と画像を見比べてみると
実は思っている以上に再現性もあることがわかる

写真の左下はいかにも濃墨がじゅわ‥と滲んでいる様子だし
苔の形も緑青のたらし込みの様子そのものです

墨の方が粒子が細かいので水の表面を広くひろがっていき
岩絵具である緑青の方が粒子が粗く重いので
ぽとんと筆から落としたところから
狭い範囲で滲むように広がります

まさにこの写真のように

実物のモチーフとにらめっこして
何とか再現できないかと苦戦するわけもなく

あまりにも
絵具の性質に柔軟に対応し華麗に絵具を操っているので
写実の表現と結びつかないように
思い込んでしまうのですね

とにかく華麗です

最初はよく自然を見つめ知っていたからこそ出来た表現が
受け継がれるにつれ、幹の実感を再現するというより
師匠や先代の描いた幹を再現しようとしてたらし込みやが使われ
テクニックとしてのみの
たらし込みが伝わってきたのですね

だからこそ現代のテキストにも
たらし込みのテクニックについては書かれても
実際の幹の写真は勿論、文言さえ見当たらないのでしょう