ルーミー語録 井筒俊彦訳 (中央公論社)
「ペルシャといえば、多くの人は先ず詩を想い、ペルシャの詩といえば先ずハーフィズとルーミーを憶う」
タイトル、アラビア語の原語では、呪文のような響き、「フィーヒ・マー・フィーヒー」。ごちゃまぜに入れた、というような意味だそうで。
只々シンプルに読みものとしてしんそこ面白かった。
…それにしても、何人の日本人が、例えば、いかにも井筒先生が命削って書かれたこのような書籍や業績に、一生のうちにいちどでも触れることが叶うんだろう。実は、本編と同じくらいかそれ以上に、最後にまとめられた、井筒俊彦先生のルーミーの解説と、淡々と描かれた研究者としてのエピソード(ペルシャ文学研究の「故ルーザンフィル教授」との思い出 )は、胸に迫るもので、これだけでも若造絵描きとしての私には宝物のような価値のある読書体験でした。
迫るクリスマスのちょうど一週間前の今日、詩人でありマウラウィー教団を創始したルーミーの命日。
ひょんな会話から日本ではほとんど知られていないルーミーのことを教えてくれて、そのことで書籍を取り寄せるきっかけになりました、
d(アメリカ出身でしかもクリスチャン!)に感謝だ。