潺湲亭(石村亭)

2020-12-27

先月のこと

谷崎潤一郎 (1886-1965 )が最も長く暮らし、作家としての充実期を過ごした潺湲亭(石村亭)にご招待いただきました。

現在は、松子と縁のあった京都の日新電機さんのご所有となり谷崎夫妻との約束を今も果たし続けておられます。
実は二度目の訪問で、一度目はレプリカでなく当時の椅子がそのままにあり、特に布は経年で色も質感も全くわからなくなっていたのですが、不思議なことにすぐにきれいなエメラルドグリーンのイメージが降ってきて、伝えたら驚かれました。

そのインパクトが強くて、作家運がついたらいいなあ、なんて、私もその後、買い替えのタイミングには、アトリエの椅子をエメラルドグリーンで選ぶ。谷崎みたいにロマンチストでないので機能重視でコクヨのですが。すっかり忘れていたのを思い出した上にはからずに答え合わせできたのもうれしく。

それにしても、机がまるで女性みたいな。シンプルに見えて細部まで繊細なデザイン。特に脚が艶かしいといふ。

追記

白猫がおむかえ。
「猫と…」は、芸大時代、超絶猫好きの友人に勧められて読んだ。伝説的に美人な子。教室でのヌードデッサンの途中、真冬の焚きすぎのストーブに私も意識がふわっとしていて、ふと目をむけたら彼女自体の影が猫に見えたことを思い出した。あのとき、たった一度だけ。
また学生時代みたいにへんてこに遊びたいなあ。