羅の穴

2013-08-30

kumonosu

kumonosu

その美しい文羅

少し雨降って

少し羅の目が大きくなる

少しの間も空けないで
蜘蛛は修復にとりかかる

精巧な織目からのぞいても
まだ低い雲はさらない

また傷つくかもしれないとか
次の雨を待とうかとか

考えないんだなあ

やぶれても
やぶれても

それがとても大切だから
蜘蛛は少しも惑わない