生誕130周年 橋本関雪展

2013-10-06

 

今日(昨日)は神戸

●神戸アートマルシェ2013
〜6日19時

●生誕130周年 橋本関雪展
兵庫県立美術館
〜10月20日

すごくすごく面白かった

今回気付いた関雪の特徴など
これは言うまでもないですが
①中国古典、絵画へのリスペクト
画題だけでなく
筆致などもにも石濤や八大山人など明末清初の特徴
山水画や
額装された 画帳 年代不明?
が愛らしかった

②大作の構図の計算された大胆さ、遊び、面白さ
お軸などより屏風などの大作で凄腕発揮

③やや上からの視点
やや加減が不思議、見てるとなんだか自分の身体が浮いたような
幽霊になった気分

①②③の作例で特に印象的だったもの‥Ⅰ
猟 1915年(32歳)
木蘭 1918(35)
拾牛図 1918頃
–炊夢図 1918頃
林和靖 1920(37)

35歳前後の充実
この頃の作品はとにかくパワフル
構図が計算されていると粗さも強さとして見える

又、他にはこちらは繊細な画面
小さな作品で年代もずれますが
長恨歌 1929(46)
も何度見ても見入ってしまう
京都市立美術館蔵

そしてやはり閑雪の絵で心が震えるのは

④画業後半生からの動物画の写形(写生)

人は大人になってからも人として人生で何度かぐっと成長する時があるはずだけれど
絵描きの場合それに伴って絵も成長する
素晴らしいことだし望んで仕方ないけれど産みの苦しみというか、体力も気力も相当いること
閑雪は50になって自分越えをされておられる
本当に尊敬して仕方ない

《「はじめの心に立返ってもう一度初手から勉強する」としてもう一度「写形」をやろうと考えたからである》(白沙草人随筆)

関雪は才能がある方である
Ⅰは凄腕と構成力によって画が作られているが
その凄腕があるにもかかわらず、Ⅱでは
モチーフとなる対象を見つめて何か自分以外の何か大きな存在に歩み寄ろうとしておられる

④で印象的だったもの‥Ⅱ

意馬心猿 1928(45)
玄猿 1936(53)
唐犬図 1936
夏夕 1938(55)
霧猿 1939(56)

1945(61)没
大津市 端米山月心寺に眠る

何人分の人生かと思いながら略歴を読む
数々の作品は勿論
数えきれないほどの海外渡航
白沙山荘の庭作り
390個の落款
ちょっと想像できない

本当に恐ろしい方です