ケイトウ 写生
描きながら
ずっと身体がぴりぴりするくらい
こんな美しい生命力
この秋(夏の終わり)に
何も悔いがない
燃えるような歌うような鶏頭の花に出会ったから
太陽が沈んでから、
路地を歩いていて
偶然通りかかって
暗がりにも赤い花びらが
炎みたいな力を伝えてくることが
わかって何だ?と
私もひとめで描きたくなってしまった
御自宅の外観からだけではわからなかったけれど
大切に育てあげた方は織りの職人さんだった
長年強い種だけとりつづけて
一時鶏頭を描き続けた時期があった
私でも見たことないくらい大きく育てあげられた
西陣に生まれ、守り抜いたお父様の教え、
これまでとこれからのお仕事のお話がきけて
私は胸が熱くなりっぱなしだった
80歳なのに!
朝に福井の海に潜られてとってきたという
きれいな栄螺(さざえ)まで頂いてしまう
きれいでこれも描きたかったけど、
こちらはすぐ食べてしまった
ずっと物語のなかに包まれているような秋と冬のすきま