メーテルリンクの青い鳥なんて

2014-04-02
青い鳥 (新潮文庫 メ-3-1)

青い鳥
メーテルリンク
新潮文庫
堀口大學 訳

アマゾンではノーベル文学賞受賞作家部門 ベストセラー一位とある
モーリス・メーテルリンクの青い鳥
部門が山ほどあるのか
普通はみなさん読んだことは在るものなの?
何故誰も薦めてくれなかった

多分両親も読んだことないのだろう
だからこそ
私の家にも小さなとても短い絵本があった

あったがために知っているつもりでいたから
私はさいきん初めて新潮文庫のこれを読んでひっくりかえった本当に驚いた

先ず、これは戯曲作品(演劇上演のための上演台本)であった
子供たちがわかる会話で物語がすすみ
舞台を作る人たちの為に各幕ごとになされている視覚的表現が美しい
頭の中でキラキラと絶え間なく色や形が現れるのを眺めながら読み進めるのだが
それでも
これは言葉そのものが色や形を超えている超文学
常々言葉で現せないものを描くと思っているのに

才能を集結させて舞台化したものを見たい気もするけれどこれは本で感じるべき

大変シンプルなあらゆる言葉に考えさせられたり
考えさせられるというのは決して説教的でなく
哲学であり
フランスの文学なのに
東洋的というか仏教の思想だと私は思った

チルチルミチルたちの率直な素朴な流れていく会話のなかに
問答だったのかというような部分が随所に
本当に随所に(とても短いスパンでリズミカルに)あって

書中に出てくるダイヤモンドの魔法のダイヤル
片手で右に左にカチカチ回すだけみたいに

いとも簡単に深い部分に落とされては戻されての繰り返し

もっときれいごとみたいな子供向けの童話と思い込んでいました
これは絶対読むべき

それでも苦手と思っている方は
千夜千冊で松岡氏も68夜で書かれておられますよー
http://1000ya.isis.ne.jp/0068.html
「メーテルリンクの青い鳥なんて読むまいと思っていた」
わかるわかる、ですよね
損してるなあ

それから、多分、
堀口大學さんの日本語訳の秀悦