絵画とストーリー

2015-04-17
昨日見た染織コーナーの古裂
http://sadaieayuko.jugem.jp/?day=20150412
が見たくてまたきた
美術館脇に咲く牡丹桜がまっさかり
このあとに伺った骨董屋さんにはそれはそれは見事な織田瑟瑟の(普賢象?)桜
私の桜まつりは第二部を迎えつつまだまだ続いておりますよ

京都国立博物館
平成知新館
名品ギャラリー

下に紹介している作品は5月10日までの展示
今回見て良かった作品ベスト5


泣不動縁起絵巻
絵巻はストーリーがわかるとこんなに面白いものか、と
大体、絵として見てしまうので。
(人のかたちをした)不動や人間がストーリーを作っていくのだけれど
本来、絵に描く必要ないはずの庭の鶏や道端の犬など生き物の表現がすごくうまく
作者が動物好きで、描かずにはいられなかったのがわかる
陰陽師の呪術を見守る妖怪も絶妙なセンスでこれだけでも見て損なし
うふふとなります
この妖怪にしても、この人が陰陽師だという説明の為の存在にはなるけれどストーリーにはあまり関係ないのにというのが楽しい
不動明王や閻魔様まで登場しながら
重要なことは
どれが一体主役なのかが読み込むほどにわからなくなっていくこと
これが、いかにも日本の古典らしい


慧可断臂図 雪舟
洞窟、慧可が達磨の背中に自らの手首を差し出す水墨図
西洋画であれば朱色を使うだろう 舞台であれば鋭利なナイフが置かれるだろう
何れもない骨太な水墨で現されている


波濤図 長谷川等伯
金箔と墨の波が組み合わされた斬新な図

仙人高士図屏風 狩野永徳
静かに佇むべき仙人高士図という伝統的な格式あるモチーフ
もう本当に上手くて強い筆、集中力で描かれたが故に、
迫力は波をモチーフにされたものに劣らず
しかも波濤図と同じく描写部分を避けて金がふられている墨と金の二色の絵で
このふたつのリズム、二つで一作にも見えなくもないというのが
何とも…
そう、
「花鳥の夢」山本兼一
http://sadaieayuko.jugem.jp/?day=20140501
を読んだ人がこの光景を見たならこの空間、皆ドキドキハラハラするはず
すごい緊張感だ


寒山高逸図  張宏
好きな質感
たまらない