麻生三郎展
京都国立美術館
〜平成23年2月20日(日)
9時半〜17時
月曜休館
もともと食わず嫌いの画家で、初めて本画を目の前にする。
が、観て本当に良かった。
戦前戦後を駆け抜けて描ききった人のことを今を生きる私が理解しようがないけれど、思いのようなものがずんずん刺さる。
触覚性は私が最も興味のあるテーマ、それを追及していることは画面に向かい合ってすごくよく理解できて興味深く。
近美の美しいフロアに出現した圧倒的な世界観
描き手としては当然のことながら、人としての自分の甘さも痛感。
以前デッサン集で見せて頂き、一目見ただけで吐きそうになった裸婦デッサンだけはやはり克服できず。
細やかな刃で切り刻んでいくかのような視線。
描いた本人にではなくこれをコレクションする男性に殺意。
同じ風に一人ずつ切り刻んでいこうかしらという妄想。
あは
子供をモデルとしたものは不思議と優しい。
四階常設展にも感激。
西村五雲の兎、堂本印象の鷺。
見たかった作品が総並び。
靉光のヤマアララギ、ルドンの三点(ひとつは麦僊の旧所蔵)、ザウォーキー等々
毛布やパンのようには役に立てない美術についてネガティブになることもあるけど、生きるために必要なものと思えた日。
又、中途半端に向き合ってはいけないと思った。