第10回織田瑟々桜画展
3月31日、4月1日
川合寺(西蓮寺)
滋賀県東近江市川合寺町
織田瑟々(1779〜1832)
滋賀県東近江市川合寺に生まれ、生涯、桜のみを描いた女流画家である。
京都で三熊露香(?〜1801?)に三熊派の「桜画」を学ぶが、若くに夫と子供を亡くすなどを経て、生まれた地に戻り、尼として独自の桜画を描き続ける。
この尼僧画家の作品の多くが川合寺に住む人々によって所有され守られてきたこと、
瑟々の眠る川合寺にて地元の方々の主催で毎年開催されていることには、田舎の一作家として感動せずにはいられない
毎年京都芸大の学生さんと鑑賞と講演の聴講の勉強会に参加させて頂いている。
この土地の人々は織田瑟々を親しみを込めて瑟々さんと呼ぶ。
境内に作品が飾られ、婦人会の方々から桜餅(道明寺)がふるまわれる。
描き続ける人生を選んだ一人の女性とその土地の人々との関わり合いの様子目の当たりにすることができ、描くことの意味を前向きに温かく感じ考えることのできる展覧会。
今年の講演は
『人と桜-日本文化の心性史』
先生のご著作が好きで楽しみにしていたが
本当に充実した素晴らしい内容
絵画が研究者側から語られるときに
描く側との感覚や視点のずれに違和感を感じることがあるが、
先生の言葉にすんなり共感できるのは女性だからかしらと思っていたが
作家を目指されたこともあるというお話を伺って納得
桜に対するやや過度に熱を帯びたメンタリティーについて
今まで疑問に思っていた部分がすっきり
瑟々ついては
自分の場合近江に戻ったことをフューチャーして
今まで一人の一尼画家として主感情的に捉えすぎていたが
単独で語れる訳がなく三熊思考(1730〜1794)と共に観るべき
おすすめ
『江戸絵画と文学』今橋理子 東大出版社
講演中に薦められていた
『桜史』山田孝雄 講談社学術文庫
早速アマゾンにて注文