奇妙の重なり連なり。吸い込まれるみたいに伺った白沙村荘では絶筆の書と関雪忌の展覧会「雪月花」を拝見することができました。
中国の清代、乾隆年間の画家・羅聘(らへい)の描いた墨の梅図は脈打つ内臓を見るみたい。何度見ても素晴らしく美しくぞくぞくする。
それを挟んで関雪の、和紙と水(墨)の引き算で描いた雪の絵と「凍雲危桟」が並ぶ妙。西洋の肉感ではなく、東洋の独特の切り口によって薄く皮膚を剥がすみたいにぞわっと皮膚感覚に訴える三点。その感性?に通じる関雪コレクションのエジプトやペルシャ陶器の数々を見れたのも驚きでした。
こんなにすごい人が画家が日本画家が、日本に京都にいたのかと。絵かきとして少し掴めた気がしたのは傲慢でしかなく知るほどにどんどん理解を超えて逃げていく。本当に恐ろしすぎて。
清流にも春。歌うように咲いていた山葵(わさび)の花にも出会いました。
直前に聴いた根の幹の枝の葉のお話。水みたいに生きるのが良いですね、というお話と共に胸に刻んだり。