石山寺縁起絵巻の全貌
‐重要文化財七巻一挙大公開‐
滋賀県立近代美術館
〜11月25日(日)
平日なのにいつもに増して賑わう県立美術館
ほほ〜さすが
石山寺縁起絵巻!
と思ったら
本当に燃ゆるように見事な文化ゾーンの紅葉目当ての方々でした
秋の景色はふっくらと優しく温かなボリュームで包まれるみたい
さて
全巻揃っての公開が初めてとなる石山寺縁起絵巻
石山寺縁起絵巻のおさらい
全七巻 計33段
鎌倉時代〜1800年頃‥半世紀以上かかっての完成
第一巻〜第三巻 詞 石山寺座主杲守
第四巻 詞 三条西実隆 絵 土佐派絵師
第五巻 詞 冷泉為重
第六・七巻 絵 谷文晁
実物を見るのはどの巻も初めてだったけれど
予想以上に面白かった!
特に第一巻〜第三巻のクオリティーの高さ
貴族も庶民も御坊様も皆一人一人違った表情と性格で描かれ
息遣いが聞こえそうなほど絵が生き生きとしている
絵そのものが抜群にうまいし構図や色かたちにセンスの良さと
そして、ユーモアが垣間見れる
センス大事ユーモア惚れる
又、舞台が石山寺ということもあり、山の緑と琵琶湖の青が美しい
群青や緑青の顔料を一番巧く使っているのもこの巻
中でも私は石山寺建設の人々のシーンと
衣装や道具が楽しい祭りのシーンが好き
(絵巻鑑賞中の)女の子グループが
六番目の人ががイケメンだよ〜
おおはしゃぎ
何事かと思えば
御坊様が集まるシーンのところ見てきゃっきゃしてたのね
世はアラサー?女子に僧職系男子が人気と話題
自分の周りでは聞かない話だなと思っていたが
初めて目の当たりにした
女の子たちがいなくなってから、こっそり1、2、3‥6人目チェック
石山寺にまつわる歴史的な出来事や誰が滞在したなどの出来事が書かれた絵巻
後半になるにつれ
出来事と言えば確かにそうなのだけれど
誰さんが石山寺で祈ったらこのような奇跡があった
戦いに勝った
(第六巻の殺戮シーンは記録としての必要を超えていておぞましい
キャプションには『依頼者○○の満足は叶っただろうか』のような意味の
文晁の趣味でないこととフォローする?コメントが‥大丈夫かな)
顔が美しくなった
お金持ちになったなど
歴史の記録よりもっと外向けに見える
御利益をテーマにしたものに変わっていっている点も興味深かった
本物の絵巻の他に土佐光起による現状模写
(前半一部は狩野派が模写しているとのこと、どういう経緯?)
もあり
更に
関連の名宝として出されていた仏像が美しかった
木造如意輪観音像像内納入品(二躯一基)
*銅像如来立像 飛鳥時代 滋賀県最古の立像焼けただれている
火事中から自ら飛び出たとして絵巻中にも描かれているもの?ロマン!
*銅像菩薩立像 白鳳時代
金銅観世音菩薩立像 奈良時代
噂には聞いていたが美しく立ち尽くす不思議な気持ちになった
楽しんだ発見があった美しかった面白かった
おすすめできる展覧会
今週末まで