女性として

2013-11-22

写真は
京都国立近代美術館から見える鳥居と市立美術館
お昼に女シ会を挟んで
今日(昨日)は展覧会めぐり

皇室の名品展
11月9日〜1月13日
(前期〜12月8日)
京都国立近代美術館

明治宮殿や皇室調度品の煌びやかなこと
ご即位やご結婚などで制作を依頼されたり献上された
皇室コレクション
関わった職人や作家の糧や技術だけでなく
日本の文化力や国力を支えたことが伝わってきます

殆どが近代の作品
工芸品の職人技と雅を楽しみに行きましたが
大正から昭和初期の自分が好きな時代のものが多かったこともあるのかもしれませんが
日本の皇室コレクションに関しては
超絶技の工芸と日本画を並べてみても絵の方に人を圧倒させるパワーを感じた
胸ぐら掴まれてしまった作品いくつか

前々から一目見たかった

西村五雲 秋茄子(昭和7年)

に思いがけず出会えただけでもう本当に
あー生きてて良かったなという感じ
穴が空くほど見る

川端龍子 南山三白(昭和4年)
も見事

今まで図録等で出会うたびに何だろこりゃ??と思っていましたが
これも実物で見ないと伝わらない絵

他に出会えてよかったのが
御舟のメロンとマスカットの小品(大正13年)
関雪の屏風の進馬図(昭和8年)

京都国立近代美術館
25年度第四回 コレクションギャラリー
〜1月13日

須田国太郎 修理士
何度出会ってもいい
何かが懐かしい
思い出せない嗅覚の記憶

土田麦僊 芥子のスケッチ
好き

入江波江 梨の花
この方に限らず、この頃の有名系日本画家、徳岡神泉、福田平八郎、等々
山口華揚も
絶好調期よりこんな若描きの作品が好き

下絵を読み解く
-竹内栖鳳の下絵と素描
〜12月1日
京都市立美術館

舞台裏を見せてしまう展覧会
料理でいうならレシピやキッチン公開
研究者なら本棚や構想ノートを見せてしまう感じ?
私も写生は勇気を持って公開しているけれど
巨匠のそういうものを美術館でまとめて見れること
描いてる立場で見るとわーおと思う
舞台裏を見ると
比べるものではないけれど職人的な印象は関雪や櫻谷の方が強くて
栖鳳は演出家であり
ドラマチックに絵を見せることを重視された方だと思った
気になったのが
展覧会の解説
「(本紙)制作の裏には多大なる苦労」
制作に入る前には「わざわざ」
「不断に写生…苦悩の痕跡」
となんだか違うなという感じ
作品にも下絵にも苦悩が見えるものと見えないものは勿論あるけれど
苦悩が見えない方が天才だと思うし
栖鳳は天才側の作家
わざわざでなく
その絵描きにとって写生が大切であり必要だからするのであって当たり前のこと
わざわざと思う人はしないししたとしても画面に現れる
苦労や煩わしいはずのことをむしろ楽しんで探求出来る人がプロで
人の数だけそれがあるのだろう
苦悩こそ褒められるべきと思われている方の解説?
作品を見慣れていない方は解説や第三者の言葉を鑑賞の参考にされたり引っ張られる方も多いはず
感情的?な言葉が栖鳳の下絵やスケッチの本質を見えなくすると思った

とにかく
私にとっては大変勉強になる素晴らしい展覧会
もう一度来よう

レオナールフジタとパリ
〜12月1日
美術館「えき」KYOTO

昔から大好きな画家
愛車の白い自転車に嗣治と名前を付けていましたから

まだ白い下地が現れないパリでの初個展の作品も多く展示
解説の400点完売にはひっくり返った
解説にはこういう具体的なデータが欲しい
なんという多作
モディリアーニやローランサンの時代
日本人らしい面相の極めて細くキレイな線
お洒落な感覚に東洋的な普遍的な美意識が加わって
個展会場
ピカソはじめパリっ子の驚きの表情が目に浮かぶ

THE藤田
といった裸婦の数々はやはり凄い
藤田に愛されたユキ(リュシー・バドゥ)は女性として最高に幸せな人だったと思うこと
私も描かれたいよ

生かされた女性美
星野画廊
〜12月22日

此方のコレクションが面白くて企画展がいつも楽しみ
出会えたもの(並んでいたもの)で印象的だったもの

玉村方久斗 愁思
自らの情念に悶えるような平安貴族風の女性
金地に真っ赤な着物

林司馬 保多留

若村緑 少女
いかにも育ちの良い健康的な少女の絵
ここに来ると初めて聞く名前なのに確かな腕の作家に一人は会えるのが楽しい
今回はこの方
聞くとなんと岡村神草の奥様!!
図録には
菊地契月塾で出会い宇田荻村の媒酌で結婚とある
わお…
旦那様と違った方向でも十分個性的な表情の日本画

喧嘩しなかったのかな

大きなお世話ながら心配になってほとんど口について出たのを
画廊ご主人が
いやー喧嘩ばっかりやったみたいよ
と。
やっぱりですよね…