赤い糸と恐ろしい契り

2013-12-07

本日は展覧会いくつか駆け足めぐり
写真は龍谷大学大宮学舎本館展覧室
携帯写真はサスペンス劇場風ですが
美しい(旧校舎の?)洋館にうっとり
重厚感のある古い洋館が好きみたい

龍谷大学文学部博物館実習 12月展
婚姻の歴史と文化をたどる
今と昔の赤い糸
12月4日〜7日

 龍谷大学に所縁があるわけではないのですが…
一度偶然お邪魔して以来
毎年この時期楽しみにしている
学生さんが博物館実習の授業でされている展覧会

分厚く充実の冊子や展示室内の解説ポスターなど
手作り感が温かく微笑ましいのだけれど
同時に驚くのがクオリティーの高さ
若いエネルギーをこんなに真面目に授業にぶつけて取り組んでおられるのかと
楽しみながら真摯に取り組んでおられること、感動するし、本当に素晴らしい

いやはや
エネルギーを頂きました

内容も面白いものでした

現代は『嫁取婚』が主だが平安時代には『婿取婚』が混在し
源氏物語など多くの文献で婿取り婚の儀式『三日夜餅』の記述がある
男性が女性のもとに三日続けて通えば
又通うことが出来れば(女房の手引きがなければ忍び込めない)
祝い餅が出され披露宴『露現(ところあらわし)』が行われる
『嫁取婚』が主になるのは平安後期から鎌倉時代

歴史的なことはわからないけれど
日本とはもともと人と人との境目の少ない
本当に大らかで気質の国だったのだろうと思う
それは美術品の性格を見ても明らか
それが現代にいくほどに
女性より男性が
年少より年長が
という階層の思想が強くなっていく

『万葉集』に見る婚姻
好きな(婚姻したい)相手がいたら先ず自分が名を名乗り
それに応えて相手も名乗れば婚姻成立となる
本人同士の婚姻があり後に女性の両親の承諾で共同体で認知された夫婦となる

極端すぎるかもだけど
女が名乗るまでは
その女はその他の女と同じであり女でしかない
男が名乗るまではその男はその他大勢と同じ
名前が認識されたとき
初めて甲と乙の二人となり
役割が与えられ機能を果たすものとして他と区別される
契りとはなんと恐ろしいことか

最終章には
現代の結婚
として
同性婚などの問題も扱われていたり
大学生の結婚観のアンケート結果をまとめたものは
今の若い人たちの考えがリアルでとても面白かった
『三高』が死語と紹介されていたり

階層でものや人を見る感覚がもっとフラットになって
自と他がひとつに近づいていく世界になるといい

表展
12月6日〜8日
京都文化博物館

此方も毎年恒例
御仕立も勿論ですがどんな作品が表装されているのかしらというのも楽しみ
京都ならではですね
お抹茶とお菓子も楽しみ


クヴィエタ・パツォウスカーとチェコの絵本展
〜27日
美術館「えき」KYOTO

クヴィエタ・パツォウスカー
父が好きな絵本作家で私も影響され
とても好きだった人
なんてったって
小学校高学年から中学はじめくらいまで
月刊誌MOE(懐かしい!)をうきうき集めていたから
あは
日本画から何から私の守備範囲広いよ

いつまでたっても間違えずにフルネーム言えたことがないけれど
他のチェコ作家+日本人一人の作品も紹介されていたけれど
原画のパワーは圧倒的だった

不思議の国のサーカス一座のテントの中に迷い込んだような感覚