展覧会めぐり
山口薫展
何必館 京都現代美術館
〜26日
私の誕生日に亡くなっておられる
没後45年の記念展
人間の悲しい部分を絵具で画面になすりつけている
絵描きとはそういうものだけれど
そういった表現であるということを伝え共感させるのが上手い画家
これは技術である
非常に人気のあった(ある)画家
このような切なさは絵を見たり描いたりするような人間の多くは
受信することできて共感する
現代の多くの日本画家(特に京都?)にも影響を与えている画風である
悲しさのベットに沈み込むのは心地よく賛同者も多いだろうけれど
私の価値観の多くと僅かな良心では賛成できないなあ
勿論それがいいとか悪いとかではなく
そろそろ起床の時間ではと思わなくもないが
映画の世界が映画の世界であると多くの人はわかるのだけれど
絵画にはエンドロールがないのが恐い
人間のある一面でしかなく移ろいゆくものであることを理解していないと
引きづり込まれる
引きづり込まれる楽しさは絵画の醍醐味であるけれど
同時に目を覚まして自分の頭に意見を求めていることが大切
ジャンコクトー監督映画オルフェ
1951
オルフェ(ジャン・マレー)
死神(マリア・カザレス…もう本当に本当に本当に美しい)
を思い出した
(オルフェは鏡の中の死神に魅せられ此の世で夢遊する)
生誕100年 佐藤太清展
〜2月9日
京都文化博物館
山口薫と同時代の日本画家
自然との一期一会をまっすぐに描く
THE日展
という絵の具の処理ではあるけれど
内容は率直で安心して見ることができる作品
「かすみ網」という作品を見るのが目的
展示のものでは最も初期のもので
私とほぼ同い年の時の作品
しゃきっとしていて巧いしかっこよかった
嫌味もない
いつまでも古びないのだろうと思う絵
他にも面白いと思うのがいくつかあって勉強になる
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どちらも楽しい展覧会で同時代でありながら対照的
二作家とも選択した生き方に腹をくくって楽しんでいる
同時に見たのがよかった