寄り添っていたもの

2014-01-29

澤乃井 櫛簪美術館の所蔵品展

櫛簪のおしゃれ

京都細見美術館

〜2月23日

この美術館

お洒落な建物は非常にバリアフル

そして展示室のあの独特の密室感は何度行っても恐い

吊り橋効果がかなり期待できるため

恋の始めの男女の皆様のデートには

是非おすすめ

更に

展示後のミュージアムショップは雰囲気明るく

併設カフェもカジュアルだしね

展示室やバリアフル通路では堂々リードして

ほっと脱力するこのタイミングで猛アピールすべし

我ながら

なんて有用な情報が得られるブログなんだ

と、

さて、

私は勿論一人で行ったわけですが

‐粋に華やかに、麗しく‐と副題が付けられた

櫛簪等の展示

私としては華やかな簪の装飾品の数々より櫛の粋な作品の数々を見るのが楽しかった!

それにしても

女性の髪のものってどうしてこんなに妖艶なんだろう

妖艶さ+小物そのものの可愛さ

そして

江戸から昭和初期の細密工芸の見事さとそのデザインの粋なことといったら

芸術的なその贅沢な日用品には抱一など琳派の作家や堂々蒔絵師のサインが‥

当時の女性の超憧れブランドだったに違いないけれど

可愛い!よりも格好いい!デザインが多いのは

作り手が媚びることなく己の美意識に忠実に制作していたことと

使い手の買い手の審美眼とセンスの良さ

きっと両方が揃ってのこと

変わったもの興味深いものばかりだったけれどそのなかのひとつ

屏風などのように二幅でひとつの作品となるように

二櫛で一作品となる「二枚櫛」というもの

絵画工芸に造詣の深い大女将さんのものでもないし

裕福なおうちの嫁入り道具というのでもない

二枚櫛というものは主に遊女が使うものだったという

展示品だと

秋草と赤とんぼの二枚で素材は象牙に蒔絵螺鈿

贔屓の旦那からプレゼントされたのか秋の日に自分へのご褒美に買ったのか

ちょっと憧れてしまう

美術品と日用品との境界線が非常に曖昧なのが日本美術の面白いところ

八百万の神様の文化

美意識や丁寧で美しいものが人に寄り添っていた日本の文化

生活も考え方もあらゆるシステムが西洋化して美術が一気に独立して敷居高いものになってしまった

敷居高くなってかえって低俗なものになってきているというのはどういうこと???

(ごめんなさい 例外あり 又自戒も込めて)

美術と人が寄り添っていてしかもむしろ美術が人によりそっていたのに

人の方から意識的によりそわなくてはいけないものになってきている

多分

西洋文化の場合初めから高い位置に押し上げられていて

独立しているから仲良くしたければ自分から歩み寄り探ろうとしなくちゃいけないという認識があるけれど

日本の場合

問題というか幸先不安なのは

身近で通じ合っていて側に居て当然と思っていた恋人が

いつの間にか心離れてしまったようなものだから

んーー

日本美術というジャンルは無くなってしまうのか