三という唯の平たい数字の羅列

2015-01-21
表題は村上風味
(嘘。怒られるわ)
一月は理由があって
文末に書くこととちょっと関係するような無いような理由があって
貪るように本を読んだ
その中でも印象に残ったり、
ここで書いて問題ない本ここで三つだけ
(何にとって問題ないのか自分でもわからないけれど
何を読んでいるかって私的なモノでコトだから?)

運命に従う
小川亜矢子
幻冬舎

絶版の此方も何とか手に入った200円
今月初めに亡くなられた小川亜矢子さんの自伝
ちょうど一週間前にニュースなどで訃報がありました
ご冥福をお祈りしつつ読み進めるほどに
“余計なお世話ね”という声が聞こえるようで
儚いバレリーナのイメージからは遠く、切なさ哀しさは書かれない
それが強がりなのか天性の母性なのかわからないけれど。
私も芸術は表向きは明るい方がいいと思っている
お天気のいい日
特等席での観劇はそこそこに真昼間からのシャンパン
新鮮なフルーツとワンちゃんみたいなハンサムなフィアンセ
こんなの誰だって憧れますよね
飲酒のシーンが多いのでお酒に抵抗がある人は悪酔いするかも
女性におすすめというか
意中の男性には読んでほしくないなとかも思う本

画家小出樽重の肖像
岩坂恵子
講談社文芸文庫

小川亜矢子さんの初めの夫イヴァン氏と同じ
と書いたらいかにも嫌われそう
でも、
私も実はおでんの匂いが苦手
でも食べたら
あれ、すごい美味しいやん
となる
お酒も会話もきっとすすみます
小出樽重の作品っておでんっぽくないですか?
匂い…についてはノーコメントで
色とか。
タイムスリップして
古き良き大阪の魅力もたっぷり堪能できます
「道頓堀で眼病予防のおまじないで眼を洗った」とかびっくり
作家自身は実は体の弱い臆病なおぼっちゃまなのが意外
一人の絵描きを描いた小説としても面白いけれどこれはノンフィクション
大阪とか昭和を愛する人にはたまらない一冊
その香りがあまり好きでなくても喰わず嫌いと気付くはずです
樽重の書きものもまとめて読みたくなった

走ることについて
語るときに
僕の語ること
村上春樹
文芸春秋

キリストは33歳で死んだ
フィッツジェルラルドは33歳で下降
(グレートギャッツビーを書いたのが19歳)
1982年33歳でジョグと執筆を始めた作者が老いについて語っている
(2015年、33年目)
フィジカルな感覚を通して綴られる
例えば、人生とか思考とか創作とか。もっと内側の話
激しく、激しく、
共感、。

一冊に出会うために貪り続けていたというのは本が好きな人のいい訳か結果論か
あるひとつの絵を描くために描き続けるということも似ていて
更に、人にもこの絵に出会うために見続けてきたと言われる絵が描けたらこれ以上の人生はないけれど
それだとしても貪り描き続けることに意味があって
それでも
迎える33歳
なんとなく節目になるなって直感しているし
しなくてはいけない