針と城と官能

2012-07-02

 

盛夏の候
蜂たちにおかれましては益々お元気そうで喜ばしく

アトリエでも
背黒あしなが蜂が裏口のドア上に巣を作り出しました

可愛げのある
(見た目が)
熊蜂や蜜蜂とは違い

あしなが蜂のハードでクールなビジュアルは
只ひたすらに訓練され
しかも最新兵器を持つような冷酷な兵隊のようなイメージで怖い

他の蜂は腹を割って交渉すれば和解できそうなのだけど
あしなが蜂のビジュアルは聞く耳なくいつだって容赦なく先制攻撃されそうな印象だ

あくまでイメージ

絵を一度も見たことない初対面の方に
見た目だけで絵のことで大きな針だったり小さな針だったり
チクリ刺されることがよくある自分
大体平気だけど
状況によっては多少しんどく思うので

自分は他人の容姿に囚われたくないと心から思っているのに
やはり
脚長君の威圧感に出会うと
見た目も大事だな
とか思ってしまう

『植物科学辞典』
ジュシュ― キョヴィエ ツゥルパン 図
1804-30年
パリ
多色刷点刻銅版(手彩色)

やっぱり
銅版好き!

日本画は柔らかい筆で水で
優しく紙を撫で線を現すのに全く対照的に

針で刻まれている線にドキドキする

日本画もいろっぽいけれど
違う世界なだけに
尚更
それにたまにだから
官能的に感じる

世のサディスティックな(に思われたい)男性(女性?)は勘違いしてる人が多いと思う
本音としては好意的に思われたいのに
意地悪なちくりではドキドキしないでしょう
鋭いニードルで刻まれる言葉がかたちが正直であり本質的には美しく在るから
官能的なのです

先程からの画像は
図鑑の一頁ですが
そもそも植物系図鑑好きの上に
虫好き
銅版画好き
アンティーク好きと
三拍子も四拍子も揃っているから
気に入っていて
これも近いうちに額に入れたい

それにしても
このお家、大きくなる前に交渉のテーブルを用意して
もう少しお互い安全な場所に納得して引っ越して頂くのが理想だけれども
うまくいくかなあ

結局こちらが先手に城を崩すことになるのなら
相当勝手なものだとは分かっているのだけれど