金泥を溶く 1

2009-01-08

K3200160.JPG
金泥とは、箔にした金を細かい粉末状にしたもの。

絵の具として画面に使用するには膠水という接着剤で溶いていく必要があります。

金を膠水と溶くには電気コンロで熱しながら行います。
金泥を電気コンロなどであぶり、膠水を少量ずつ加えながら中指で練ります。
練るうちに膠水の水分が蒸発しますが、膠水を加えて練る、この作業を繰り返すうち、金泥と膠水が馴染み、よく練るほどに金泥に艶が出てまいります。

箔には素材感、画面での効果性において非常にパワフルな印象をもつのに比べて、金泥には粒子が細かく独特の吸い付くような指触りや筆心地がとても心地よく、繊細で優美な印象があります。

純金に銀や銅を少量混ぜ薄く延ばし、金箔は作られますが、その金の純金率の高いものから「五毛」「一号色」〜「四号色」「三歩色」と六通りにわけられています。

今回は思いきって一号色の金泥を使用しました。
四号サイズ作品の背景に予め岩絵具で施しておいたマチエールに、膠水で練っておいた金泥をごく薄く水で溶き表面を薄く覆って仕上げました。
薄い粒子が少し凹凸のできた表面に優しく膜を作り美しく発色しながら馴染みます。
その他の使用例として、ホームページで観れるものでは卒業制作の葉牡丹の群生図や前回の山茶花の葉脈に線描で使っているのを見れます。

日本画の色彩やマチエールの美しさは実物でないとなかなか伝わりません。

本当は実物を見て頂きながらお話したいです。

個展、みにいらしてくださいね。