益々赤い

2009-11-01

   
本日のほととぎす

久々に本格的な雨。
赤や黄に染まった葉が濡れ色で益々赤く益々黄色い。
黄金色に色づいたスズカケノキの迫力。

  伝統と革新
  日本画の時代
  2009年10月31日〜11月23日
  滋賀県立現代美術館

 
へ、行って参りました。
滋賀県出身の画家岸竹堂と山元春挙を中心に、滋賀にゆかりのある日本画家の作品や
京都画壇の重鎮による滋賀を取材した作品がこれでもかこれでもかと並んでいました。

岸竹堂(1826〜1897)は、彦根の井伊藩士の家の生まれ。
岸連山に師事し、厳しい修行を経て才能を認められ、実子を差置いて養継子(ようしし)として、岸派の後継者となりました。
竹内栖鳳の文書にも、「私の青年時代の大家の中で、最も崇拝していた画家は岸竹堂であった」というものがあるそう。
山元春挙(1877〜1933)は大津の膳所に生まれる。一室展示の滝の大作などあまりに達筆。
20代後半で早苗会を創り、多くの弟子を抱えていたという。
私と同じ歳の頃の、人として画家として、それ位の技量と器を持っていたのだから、
春挙と自分を比べるのも何なのだが、己の未熟さ小ささを改めて直視せざるを得ず‥
時代背景や教育環境に頭を巡らしかけるのだけれど、突き詰めて考えると逃避でしかなく、結局自分の意識と日々の努力不足が表面化しているだけなのだから言い訳できない。

他の画家では、近江八幡の茨木杉風(1898〜1979 いばらぎさんぷう)の近江八景の襖絵や他の小作が見れたのが嬉しく、印象にも残った。
今年の鉄斎堂の屏風展にて、杉風の晩年の大作を初めて見て以来気になっていたから。
又、同室には先日星野画廊で見た晩秋隠居にそっくりの風景画があり、
おお〜不染鉄♪と思いきや、彦根出身の渋谷道三(1908〜1974)の作品。
絹本で茅葺屋根の風景を描くのだけれど、不染鉄もこちらも額装が似合う。
久々に入った常設も楽しかった。
菱田春草のお軸が二点。どちらも小さいものなのに、そのハンサムぶりが脳の保養に。