癸兎

2022-12-30

ふわり ひらり ぴょん
和紙 墨 金泥 岩絵具 膠

ふわり春の風に蝶がひらり、うさぎも飛び出す。
待ちきれないくらい
お慶びとお祝いの気持ちを込めて

さて、當る干支は癸兎(みずのと・う)歳。
「癸」が持つのは物事の終わりと始まりを意味する他、種子が計ることができるほどの大きさとなるという意味を含む早春のイメージ。春も間近でつぼみが花開く前という意味もあり、「茂」という字が由来の「卯」。春の良い予感を感じます。字の形が「門が開いている様子」を連想させ、まさに「冬の門が開き、今こそ飛び出る!」というようなイメージ。

この絵、光栄なことに、役者の正月と呼ばれる京都南座での顔見世、2022年12月
「當る卯歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」番付表紙絵のために描いたもの

蝶は普段より好きなモチーフ。ある舞台への案内役だったり、ある境界線とを繋ぎ導くもの。自と他。夢と現実。心とからだ。あるいは、人のふわりたゆたう魂そのもののイメージ。
配色は、歌舞伎の小道具、蝶の差し金を意識しました。

山あり谷あり、腰が抜けるようなドキドキや、ピンチありチャンスあり、
悔しくて泣きじゃくりもあったけれど、
吹き飛ばせる大笑いや、
忘れられない感動 うれし涙あり、

お心いっぱい寄せて頂き、本当に本当に助けて頂き、支えて頂いて、
おかげさまで来年ももっともっと頑張ろうと思える
素晴らしい一年となりました
心より感謝申し上げます

花のように 蝶のように
兎のように
かるくあかるくたのしくやさしく
みなさまにとりまして きっときっと 良いお年を お迎えください